心筋梗塞の恐ろしさとその対処法
ほとんどの人が耳にしたことがある心筋梗塞という病気。
心筋梗塞は年々増加傾向にありその理由は魚食から肉食への急速な食生活の西洋化に進んだことや、人口の高齢化にもよって増え続けています。心筋梗塞になる人は3人に1人とまで言われています。
いざとなった時のための情報を書いていきたいと思います。
まず心筋梗塞とは動脈硬化や血管内のプラークと呼ばれる脂肪の固まりが破れて血栓ができ、冠動脈が完全に詰まって心臓に血液がいきわたらなくなった状態を言います。
心筋梗塞の前兆には特徴があり突然に発症する胸の強烈な痛みです。
その痛みは非常に強く、強い息苦しさや呼吸困難、冷や汗や吐き気、動をと伴うことがありその場に倒れこんでしまう人も少なくありません。
また心筋梗塞の胸の痛みには他の特徴もあり
- ・広範囲に痛みが広がる
- ・チクチクとした痛みではなく押されたような圧迫感
- ・数分続き何事もなかったようにおさまる
- 不安定狭心症の特徴は下記です。
- ・お風呂の時間
- ・寝ている時
- ・寒い冬の時期
- ・万が一心筋梗塞に襲われたら
- ・意識がない場合の応急処置
- ・AEDの必要性
- ・心臓マッサージ
- ・とにかく落ち着いて対処をする
- ・心筋梗塞の予防
- ・適度な運動
- ・ストレスコントロール
・広範囲に痛みが広がる
・チクチクとした痛みではなく押されたような圧迫感
・数分続き何事もなかったようにおさまる
痛みが弱いケースもあるので要注意が必要です。
高齢者や重い糖尿病の方など痛みを感じる神経が鈍っているケースでは、痛みが強く表れないケースがあります。そのため胸の息苦しさや冷や汗、呼吸困難などの症状が現れた場合は注意が必要です。
心筋梗塞と似ている病気に狭心症があります。
痛みのでる箇所や息苦しさ、動悸、冷や汗など症状もよく似ています。心筋梗塞と狭心症の決定的な違いは症状が続く時間です。
狭心症の場合は長くても15分程度安静にしていれば治まりますが、心筋梗塞の場合は自然におさまることはまずありません。
それでは心筋梗塞の前兆となる狭心症の症状を見ていきましょう。
心筋梗塞で助かった患者さんの多くはその前兆となる狭心症があります。
2週間以内に心筋梗塞を発症する可能性が極めて高いのが不安定狭心症というものです。
不安定狭心症の特徴は下記です。
・安静時、運動時関係なく起こる
・安静時にいきなり5分以上の症状が発生する(大量の血栓により閉塞一歩手前)
・症状の持続時間が徐々に長くなる(血栓が増大し閉塞しかかっている)
「心筋梗塞が発症しやすいのはどういう時か」
・お風呂の時間
入浴中は温度が高い場所では熱を放出しようと広がり、温度の低い場所に移動すると今度は熱を逃がさないよう収縮するため、血圧が急激に上昇しこの温度差が大きいほど血圧は上がり危険度が増します。
そのため洗い場の温度を上げておくことで急激な温度の差を防ぐことが大切になります。
湯船につかる時は息を止めると血圧が急上昇しやすいため、息を吐きながら入るようにしましょう。
・寝ている時
就寝時にいびきをかく人は心筋梗塞のリスクが上がるそうです。
頻繁にいびきをかく人は睡眠時無呼吸症候群(SAS)になる可能性があり、いびきが止まると血圧が下がり、いびきをかくと血圧が上がります。
SASの患者さんは眠りが浅く夜でも日中に働くべき交感神経が活動を続け、体を活性化させるホルモンが分泌された状態が続くために、血圧が上がり無呼吸による低酸素状態も重なって心臓に負担がかかり、心筋梗塞のリスクが高まると言われています。
心筋梗塞が起きやすい時間帯があり朝から午前中と言われています。それは血圧が上がり心拍数が上がるため、また午前中は血液が固まりやすいからです。
・寒い冬の時期
寒さにより血管が収縮すると血液が通りづらくなります。1月、2月は心筋梗塞に最も気を付けたい時期になります。特に危ない習慣としてはトイレ、洗顔、犬の散歩、ゴミ出し、ジョギングなどです。
・万が一心筋梗塞に襲われたら
真っ先に救急車を呼びましょう。救急であることを伝え住所などを伝えます。
多くの場合は強い胸の痛みなどの症状ですが、他に意識不明や呼吸停止、心臓停止などの可能性もあります。
しかし緊急の場合はパニックになりやすく的確に伝えられるか心配になりますが、倒れているという状況だけで必要性は十分に伝わります。
・意識がない場合の応急処置
心筋梗塞は心筋の動きが不安定になることから不整脈や心室細動などの心停止の危険性があります。心臓が停止すると全身への血流がストップしてしまいます。
時間が経てば経つほど後の障害の重さに関係してきます。ご家族はもちろん外出などで人が倒れているのを発見した場合には、心肺機能を蘇生させるための救命法が必要になります。
・AEDの必要性
今では駅や空港、大きな店舗などにも設置されているAEDは、心室細動を回復させるのに効果的になります。AEDは自動で心室細動の有無を確認することができ、正常な脈拍時に誤って使用するという危険性はありません。
救急車が到着するまではどうしても時間が経ってしまいますので誰もが使えるように使用方法を認識しておくことをおすすめします。
・心臓マッサージ
心停止してしまった場合には何も道具がない状況があります。
その時には心臓マッサージを行う必要があります。まず心臓の拍動は脈拍で確認することができます。手首でも脈拍は確認することができますが確認できない場合もあるので、首にある頸動脈で確認するようにしましょう。
気道確保を行う事で心臓マッサージのみでも胸が上下することで肺へ空気が送られると考えられています。
心臓は胸の中心にあり、みぞおちの少し上を手の平の付け根の部分で1分間に100回のリズムで押します。
人口呼吸を行う場合は30回を目安にして行い、その後すぐに心臓マッサージを再開して下さい。心臓マッサージを続けることが何よりも重要であり、人口呼吸を行う場合でも10秒以上間隔をあけないようにしましょう。
人工呼吸を行わない場合は脈が回復した場合や、AED、救急隊員が到着するまで続けるようにしましょう。
近年では心臓停止している人に人工呼吸は行わずとも、心臓マッサージを続けることが優先されるようになっています。
・とにかく落ち着いて対処をする
突然目の前で人が倒れた場合パニックになり救急車すら呼べないという場合があります。最も大事なのは落ち着いて行動することであり、日頃から対処法を確認するなどの行動を行うことでパニックを回避することができます。
心筋梗塞は誰にでも起こりうる病気であり、誰もが対応できるような状態を作っておくことがベストである。
・心筋梗塞の予防
食事が生活習慣病を予防するために気を遣うのは非常に重要です。
食べる量やカロリー、良質なタンパク質や脂質をバランスよく取り入れるのが大切です。
食べ方や食べ時間、調理法も重要になってきます。
・適度な運動
適度な運動は血液の循環を改善させる効果があります。
生活習慣病や肥満の予防だけではなく、心臓や血管の状態を良好に保つうえで重要です。また運動によってホルモンの分泌や酵素の中には生活習慣病のリスクを抑えるものが数多くあります。
運動を行う場合は有酸素運動が適しています。多少の汗をかく程度の早歩きやストレッチや軽い筋トレなども効果的です。ただし激しい運動は心臓に負担をかけるので注意しましょう。
・ストレスコントロール
ストレスの累積も生活習慣病を悪化させ心筋梗塞発症の原因になります。
暴飲暴食や喫煙などの好ましくない生活習慣は良くありません。十分な睡眠を心がけ規則的な生活を送る事が大切になってきます。ストレスの発散には運動が効果的であることが報告でわかっています。
最後に激しい胸の痛みなど心筋梗塞の疑いがある時はすぐに救急車を呼びましょう。
この病気の致死率は40%とかなり高く、ほとんどが1~2時間以内に適切な処置が行われなければ死に至る危険な病気です。手遅れになってしまう前にあらかじめ情報を知ることが大切です。それは家族や友人、自分自身のためでもあります。